せいぜいたのしくやろうぜ

書いてる人:二木

30代からはじめる映画鑑賞。感想記事は基本的にネタバレしているのでご了承ください。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2015/アメリカ/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)

 

 オープニングのドラム演奏にあわせたタイポから痺れるようなカッコよさ。全編ワンカットに見せるような繋ぎ方は非常に個性的だったけれど、それゆえややテンポが悪く感じたが、綿密なドラムの劇伴が緊張感を保たせていた。

 主人公の元大物映画俳優は、何をしても自分が他者からどう見られるか、如何に評価されるか、それしか興味がないようだった。舞台で起こした事件によってやっと注目される結果になるが、彼はあんな方法で評価を得ることに満足できたのだろうか?

 いや、彼が成功したのは名声を得ることではなく、名声への執念を手放すことだったのかもしれない。それが娘の目からは、羽ばたいているように見えたのだろう。

 

2015/11/28 早稲田松竹